守谷市 築32年 屋根塗装
工事概要
「3年前に他社で塗装をしてもらったばかりなのに、すでに塗装が剥がれてきてしまった」とお客様よりご相談をいただきました。
現地調査の結果、前回の施工における下地処理の不備や塗料の選定ミスなど、複数の問題が原因と考えられる塗膜剥離が確認されました。
本来であれば10年前後は持つはずの塗装が、わずか3年で剥がれてしまっている状態でした。
今回は前回の施工不良箇所を丁寧に処理した上で、モニエル瓦に適した塗料と正しい施工方法で塗り直しを行いました。
| 所在地 | 茨城県守谷市 |
| 建物詳細 | 木造住宅 |
| 築年数 | 32年 |
| 工事内容 | 屋根塗装 |
| 工事期間 | 約10日 |
施工前・施工後


施工前の状態
現地調査を行ったところ、わずか3年前に塗装されたとは思えないほど、塗膜の剥がれ・ひび割れ・色褪せが屋根全体に広がっていました。
原因として考えられるのは、モニエル瓦に適した塗料が使用されていなかったこと、および施工時の下地処理が不十分であったことです。
さらに、3年という短期間での劣化を考えると、塗料を規定以上にシンナーで希釈していた可能性や、本来3回塗るべき工程を2回に省略していたなど、人為的な施工不良も原因として考えられます。
塗料をシンナーで過剰に希釈すると塗膜が薄くなり、耐久性が著しく低下します。
また、3回塗りを2回塗りにすることで工程を省き、一見仕上がりは同じように見えても、数年で剥がれが生じてしまいます。
こうした施工は見た目ではわからないため、お客様が気づきにくいという問題があります。
今回の施工では、前回の不備を一つひとつ丁寧に確認しながら、正しい手順と適切な塗料で下地処理から仕上げまでを行うことを最優先としました。



施工中|高圧洗浄
高圧洗浄を行ったところ、劣化した塗膜が広範囲に確認され、洗浄の水圧により一部の塗膜が剥離しました。
これは前回の施工における塗膜の密着不良が原因です。洗浄後は下地が露出している箇所が複数見られました。
写真の黄色く見える部分は「スラリー層」と呼ばれるもので、モニエル瓦特有の表面保護層です。
このスラリー層は非常に脆く、適切に処理しないまま塗装を行うと、スラリー層ごと塗膜が剥がれてしまいます。
今回の施工では、このスラリー層を丁寧に除去した上で塗装を行うことで、塗膜の密着性を高め、長期にわたって剥がれにくい仕上がりを実現しました。


施工中|ケレン作業
高圧洗浄で除去しきれなかった劣化した塗膜を、電動工具と手工具を使用して丁寧に取り除きました。
モニエル瓦のような劣化が進んだ屋根材では、高圧洗浄だけでは不十分な場合があります。
浮いた塗膜や密着が弱くなった部分を確実に除去することで、新しい塗料がしっかりと密着する健全な下地を作ることができます。
この工程を丁寧に行うかどうかが、塗装の耐久性を大きく左右します。
今回のように前回施工で剥がれが生じている場合は特に、ケレン作業に十分な時間をかけることが不可欠です。



施工中|下塗り塗装
今回の施工では、屋根の劣化状態を考慮し、下塗りを通常より1回多い2回行いました。
下塗りは上塗り塗料の密着性を高めるための重要な工程です。
しかし今回のように劣化が著しい屋根材の場合、1回の下塗りでは塗料が下地に十分に浸透せず、均一な密着が得られません。
2回下塗りを行うことで下地をしっかりと補強し、上塗り塗料が均一に密着する状態を作った上で次の工程に進みました。
一手間かけることが、長期にわたって剥がれにくい塗装を実現するために欠かせない判断です。


施工中|中塗り塗装・上塗り塗装
下塗りで整えた下地の上に、中塗り・上塗りと丁寧に重ねて仕上げました。塗り重ねることで塗膜に厚みが生まれ、耐久性と美観を兼ね備えた仕上がりになります。


施工完了
施工完了後の様子です。
外壁が白系であることを考慮し、屋根色にローマオレンジを採用しました。
白い外壁とオレンジ色の屋根の組み合わせが、ヨーロッパ風の明るく華やかな印象を生み出しています。
暖色系のローマオレンジは、お住まい全体に温かみと存在感をプラスする効果があります。
色の選定一つで建物の印象が大きく変わることを、改めて実感できる仕上がりとなりました。



工事で使用した材料紹介
| 屋根・下塗り | 日本ペイント | ファインパーフェクトベスト強化シーラー(エポキシ樹脂塗料) |
| 屋根・上塗り | 日本ペイント | ファインパーフェクトベスト(ラジカル制御形塗料) |
工事を終えての感想
今回の塗膜剥離の原因として、主に以下の4点が考えられます。
①下地処理の不備
モニエル瓦は通常のセメント瓦とは異なり、表面に「スラリー層」と呼ばれる特殊なコーティングが施されています。塗装の際は入念な高圧洗浄とスラリー層の処理が不可欠です。この工程を怠ると、塗膜がスラリー層ごと剥がれてしまいます。
②塗料の選択ミス
モニエル瓦に対応していない下塗り塗料を使用したことで、塗膜の密着性が著しく低下したと考えられます。
③施工不良
塗料をシンナーで過剰に希釈することで粘度が下がり、十分な塗布量が確保できなくなります。結果として塗膜の強度と耐久性が低下します。
④人為的ミス
本来3回行うべき塗装工程を2回に減らしたことで、必要な膜厚が確保されず品質に大きく影響した。
今回はネガティブな内容を含む施工事例をあえて公開しました。
これは私たちが日々の現場で直面している現実であり、お客様に正直にお伝えすることこそが、信頼ある施工につながると考えているからです。
施工は困難を極めましたが、正しい手順と適切な材料で無事に完了することができました。
同じような被害でお困りの方は、まずお気軽にご相談ください。