工事概要
モニエル瓦の屋根塗装工事を行いました。
3年前に他社で塗装をお願いしたが、剝がれてきてしまったと、お客様からご相談をいただきました。
before after
施工前
この建物の屋根は、3年前に塗装されたという事実とは矛盾するほど劣化が進んでいました。
塗料の選択や施工方法に問題があったと考えられます。
塗膜が剝がれたり、ひび割れたり、著しく色が褪せたりしている箇所が多数見られます。
施工中/高圧洗浄
高圧洗浄を行いました。
劣化した塗膜が多く見られ、洗浄により一部が剝離してしまいました。
その結果、下地が露出している箇所があります。
黄色の部分はモニエル瓦に特徴的なスラリー層と呼ばれるもので、瓦の表面を保護する役割を果たしています。
施工中/ケレン作業
高圧洗浄で取り切れなかった劣化した塗膜は、電動工具や手工具を使用して除去しました。
施工中/下塗り塗装
今回の屋根の状態では、下塗り塗装を2回行う必要がありました。
下塗り塗装は上塗り塗料の密着性を高めるために重要な工程です。
しかし、今回の屋根は劣化状態がひどく、下塗り1回では十分な効果が得られませんでした。
そこで、下塗り塗装を2回施工することで、より均一で丈夫な仕上がりを目指しました。
施工中/中塗り塗装~上塗り塗装
中塗り塗装~上塗り塗装作業の様子です。
施工完了
外壁が白系でしたので、ローマオレンジ色を選択することによりヨーロッパ風の印象になりました。
また、ローマオレンジは暖色系の色であり、明るく華やかな雰囲気を作り出します。
工事で使用した材料紹介
日本ペイント株式会社
(下塗り塗料)
ファインパーフェクトベスト強化シーラー
エポキシ樹脂塗料(弱溶剤)
日本ペイント株式会社
(上塗り塗料)
ファインパーフェクトベスト
ラジカル制御形塗料(弱溶剤)
工事の感想
今回の塗膜の剝離ケースでは主に以下の原因と考えられます。
1.下地処理の不備
モニエル瓦は通常のセメント瓦とは違いスラリー層という瓦表面に特殊なコーティングを施しています。
塗装する際は、入念な高圧洗浄や下地作りが必要になります。
2.塗料の選択ミス
下塗り塗料がモニエル瓦に適応した塗料ではないものを使用した。
3.施工不良
塗料用シンナーの入れすぎで、塗料の粘度を下げ十分な塗布量が得られず、塗膜の強度や耐久性を低下させた。
4.人為的によるもの
本来行うべき塗り回数を減らして施工した。そのために、必要な膜厚が確保されず品質に影響を及ぼした。
今回の施工紹介では、ネガティブな内容を含む事例を取り上げました。
これは、私たちが日々直面している現実であり、お客様にも正直にお伝えすることが大切だと考えています。
施工は非常に困難でしたが、無事に完了させることができました。